Atarashii Historia
制作年:2025年
形式:参加型インスタレーション
サイズ:可変
素材:ミクストメディア



Atarashii Historiaは、今井がインドネシアに赴き、インドネシア・シドアルジョ市にある教育団体「Kampung Lali Gadget」と協働で行ったプロジェクトで制作された、インドネシアの伝統的な遊び「Jamuran」と自作品「人間ノリ巻き」を組み合わせた参加型の作品である。
「Jamuran」は、参加者が円になって歌を歌いながら歩き、中心にいる指示役が「2人組になっておんぶして!」「3人組になってトラックになって!」等と指示を出したら、参加者はその場にいる人達と協力しながら指示を達成する遊びである。今作はその指示を インドネシアの伝統料理であるWedang(薬膳茶)、Lapis(蒸し菓子)、Ingkong(鶏料理)と、日本の伝統料理である寿司の4種類のどれかの「料理になる」というアレンジを加え、2カ国の文化を融合させた作品を制作した。各料理4つあり、それを各4人ずつ 計16人で遊ぶことができる。今作を2025年8月24日〜9月20日にインドネシア・グレシック「東ジャワビエンナーレ (Biennale Jatim)」に出品した。
本タイトルの「Atarashii Historia」は、日本語の"新しい"とインドネシア語の"歴史"の意味を持つ”Historia"を組み合わせた造語である。(日本語では「新しい歴史」、インドネシア語では「Historia yang baru」になる)
名称のきっかけは、交流を続けていく中で、今井自身がシドアルジョ以外のジョグジャカルタ等に伝統的な遊びをリサーチの博物館に行った際に目にした「日本によるインドネシアの占領期間の歴史」を目の当たりにしたことにある。その複雑さについて協働相手である彼らに共有した際に「自分たちは新しい歴史を作っていくことができる」と言われたことから「自分たちが文化的に、教育的に、美術的に、新しい歴史を作っていく、そのためのスタートとして」この作品、プロジェクトに「Atarashii Historia」と名付け、取り組んだ。
プレイ動画
実際に遊んでいるプレイ動画(日本語字幕付き)
要素について
今作では、インドネシアと日本の2カ国の料理を作品の要素として取り入れました。それは、インドネシア側からのアイデアで、私の代表作である《人間ノリ巻き》を見てインスピレーションを受けたと聞いています。ノリ巻き以外の3つは、インドネシアの伝統的なハーブティーであるWedangと、餅菓子であるLapis、伝統的な宗教行事の際に食べられるIngkungなどをノリ巻きと同じように人が入ることのできる、その料理になることができるサイズを制作しました。多くの人が体験できるように、各作品4つずつ、計16個を制作し、1度の遊びで16人が遊べるようにしました。


①人間ノリ巻き
体験者がノリ巻きに 駆け寄り、一人が米粒 の上に寝転がり、残りの 体験者で勢いよく巻いて 人間ノリ巻きを作る。

②Wedang(ウェダン)
インドネシアの伝統的なハーブ ティーであるウェダンの要素である 生姜やシナモンなどを体験者がそれ ぞれ手に持ち、ウェダンによく用い られるマーブル模様のカップの中へ。 レモングラスを持った体験者が、 実際にお茶を作る時のように カップの中をかき混ぜる。

③Lapis(ラピス)
カラフルな縞模様がある インドネシアの伝統的な 蒸し菓子であるラピスの 色を模した寝袋式の布に 一人一色ずつ入って、 寝転がり、体をくっつけて ラピスになる。

③ Ingkong(インクン)
インドネシアの伝統 行事で食べられる、 丸ごとの鶏を使用した 料理。出来上がった鶏 料理になる人と、それ を冷ます人に分かれて 表現する。

Biennale Jatimでの展示/イベント開催
2025年8月24日(日)-9月20日(土)までインドネシア・グレシック市 Pudak Gallery Gresikにて開催されたBiennale Jatimに出展し、9月6日はイベントを開催した。イベント時には、作品のモチーフとした海苔巻き、Wedang、Lapis、Ingkungを実際に用意し、来場者と共に食し、遊びと食という両国の文化を掛け合わせた











































